新車の購入は庶民のささやかな贅沢です。毎年、毎年、最新モデルに乗り換える!なんてことまでは望まないけれど、やはり子どもが増えたら、ツードアのセダンではなく、荷物が積み込めるワンボックスカーへ、子どもたちが巣立っていったら、ややハイクラス指向の車へ、そのときどきの用途、ライフスタイルに合わせながら、乗り換えしていくのは当然のこと。持ち家ほど高い買い物ではないけれど、やはりそれなりに根の張る買い物ではあるので、キャッシュではなく、マイカーローンを利用することになるでしょう。家族とディーラーを訪れ、試乗し、家族も満足するお気に入りの車にめぐりあい、いざ、購入しようと、ローンを組む手つづきにそのときに、ローンが組めない!そんなことってある!?
まさに、つい先日、そんな目に遭ってしまった、というのは、30代前半のMご夫妻。お子さんは、幼稚園に通う男の子と、2歳になったばかりで、かわいい盛りの女の子の二人です。
「子どもも、何も分からない赤ちゃん時期を脱して、いろいろなことに興味を持てるようになってきました。そろそろ家族でオートキャンプができるといいね、って話し合って、荷物が積みやすく、後部座席はスライドドアになっている車種を色々検討した上で、ようやくこの車がいい、って夫婦で決めたのに……。ローンが組めなかったんです」。
思い当たる節は?
「消費者金融からの借り入れがあるんです。それと、この車の購入を足して、借入高の総量規制の、年収の1/3というのをオーバーしてしまったのかな、って……」。
シュンとするご主人。しかし、調べてみますと、車や住宅の購入は高額の買い物になるので、総量規制の対象にはならないようなのです。消費者金融でお金を借りている、というだけでは、マイカーローンが組めないことの理由にはならないようです。消費者金融への返済が滞ってしまったことは?
「ありません。月々、きちんと返済しています」。
調べてみると、この消費者金融の借入高が、当初限度いっぱいだったことがわかりました。
「妻が事業を始めようとして、設備投資をするために借り入れしたのですが、まだ事業としての展開はしていない状態なんです」。
消費者金融に高額な借り入れ記録があるMご夫妻に対し、マイカーローン手続きをする担当者が、不安を感じた、ということがどうやらローンを組めなかった真相のようです。このあたりは個人の裁量で判断されることが多いため、これをしたらNG、というようなことははっきりと断言できないのが実情です。
結局、Mご負債、その車は諦め、他のディーラーでマイカーローンを申し込んだら、今度はあっさり契約できたのだとか。
「以前の担当者は、年配の方だったんです。私たちが若いから、心配だったのかな。今度の担当者は年が近いせいもあって、こちらの生活の様子もよく理解してくれたみたいです」笑顔で語るMさんご主人。よかったですね!